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過払い金の3つの質問に、先に答えます。
対象は誰か — 2010年6月17日以前から消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用していた人。いくら戻るか — 取引履歴の計算で確定し、取引が長いほど大きくなる。いつまでか — 原則、完済から10年。
自分が当てはまるかは、次のチェックリストで判定できます。
対象になる人|3つのチェック
次の3つすべてに当てはまるなら、過払い金がある可能性があります。
- 2010年6月17日以前から、消費者金融またはクレジットカードのキャッシングで借りていた
- 借入額に対して年15〜20%を超える金利を払っていた時期がある(当時の消費者金融は年25〜29%台が広く使われていました)
- 最後の返済(完済)から10年以内である。または、いまも返済が続いている
逆に、対象外になりやすいのは次のケースです。
- 銀行のローン(もともと利息制限法の範囲内が通常)
- クレジットカードのショッピング・リボ払い(利息ではなく手数料の扱い)
- 2010年6月18日以降に始めた借入れだけの場合
なぜ払いすぎが発生したのか
かつての貸金業界には、利息制限法の上限(年15〜20%)と出資法の上限(当時29.2%)の間に、「グレーゾーン金利」と呼ばれる帯がありました。
このズレは法改正で解消されています。金融庁の解説から引用します。
出資法の上限金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン金利が撤廃されます。これによって、上限金利は利息制限法の水準(貸付額に応じ15%~20%)となります。
この新しい規制は2010年(平成22年)6月18日から実施されました。つまりそれ以前にグレーゾーンの金利で払っていた利息は、利息制限法で計算し直すと払いすぎになっており、その差額が過払い金です。
利息制限法の上限は、借入額10万円未満で年20%、10万〜100万円未満で年18%、100万円以上で年15%です。
いくら戻る?|金額は「記憶」ではなく「記録」で決まる
戻る金額は、業者から取り寄せた取引履歴を利息制限法の上限で計算し直して(引き直し計算)初めて確定します。
- 取引期間が長いほど、また借入額が大きいほど、過払い金は大きくなりやすい
- 途中で完済と借入れを繰り返していた場合、取引を一連のものとして計算できるかで金額が変わる
「いくら戻るか」を事前に断定する広告より、取引履歴を取って計算するという手順の方を信用してください。履歴は業者に開示を求めることができ、専門家に依頼すれば調査から任せられます。
いつまで請求できる?|時効と、業者の倒産
期限は2つの方向から迫ってきます。
- 時効 — 原則、最後の取引(完済)から10年で請求できなくなります。2020年4月の民法改正後に完済した分については、「請求できると知った時から5年」が先に到来する場合もあるとされています。返済が続いている間は、時効は基本的に問題になりません
- 業者の倒産 — 過払い金の多かった業者には、すでに倒産した会社もあります。倒産して配当手続きが終わると、時効の前でも請求先そのものが消えます
どちらも自分では正確に判定しにくいため、心当たりがある段階で「確認だけ」早く済ませるのが、この分野の鉄則です。
請求のデメリット・注意点
過払い金請求にも、知っておくべき影響があります。
- 完済した業者への請求 — 借金の整理ではなく払いすぎの返還請求なので、信用情報に事故情報としては登録されません。ただし、その業者やグループ会社から今後借りにくくなる可能性はあります
- 返済中の業者への請求 — 過払い金で残債を消しきれない場合は任意整理の扱いになり、信用情報に登録されます(影響の詳細は任意整理のデメリット)
- 業者が争う場合 — 交渉で合意できなければ訴訟になり、解決までの期間が延びます
「請求すれば必ず満額すぐ戻る」ものではない、という前提で見積もりと方針を確認してください。
費用|成功報酬型が中心で、上限ルールがある
過払い金の報酬には公式の上限があります。日弁連の規程で、訴訟によらない場合は回収額の20%以下、訴訟による場合は25%以下(消費税別)。司法書士側の指針も同じ率です。
回収できた中から支払う成功報酬型が中心なので、手元にお金がなくても始めやすい手続きです。1社あたりの回収見込みが140万円を超えるなら弁護士の領域になります(司法書士と弁護士の違い)。
費用の内訳の見方は債務整理の費用相場にまとめています。
請求までの3ステップ
- 借入れの記憶を棚卸しする — 業者名・だいたいの時期・完済したかどうかをメモにする(うろ覚えで可)
- 取引履歴を調べる — 自分で開示請求するか、専門家の調査に任せる
- 引き直し計算と請求 — 金額が確定したら、交渉または訴訟で請求する
最初の一歩は記憶のメモだけで足ります。
まとめ|「あるかどうかの確認」は早いほど選択肢が残る
過払い金の対象は2010年6月17日以前からのキャッシング利用者で、金額は取引履歴で確定し、期限は完済から原則10年です。
時効と業者の倒産という2つの締め切りは、待っていても延びません。
昔の借入れに心当たりがあるなら、業者名と時期のメモを作って、確認だけ先に済ませてください。
よくある質問
どこから借りていたか、業者名をよく覚えていません。
信用情報機関(CIC・JICC)に自分の情報を開示請求すると、過去の契約先を確認できる場合があります。手元に古いカード・明細・ATMの利用票が残っていれば、それも手がかりになります。あいまいな記憶のままでも、専門家の調査で借入先を特定できることが多いので、覚えている範囲のメモで相談できます。
銀行のカードローンにも過払い金はありますか?
銀行のローンはもともと利息制限法の範囲内の金利が通常で、過払い金は基本的に発生しません。対象になりやすいのは、消費者金融と、クレジットカードのキャッシング枠です。ショッピング(リボ払い含む)は利息ではなく手数料の扱いのため、こちらも対象外です。
家族に知られずに請求できますか?
完済した業者への請求は新たな借金の手続きではないため、家族に通知が行くことはありません。事務所からの郵便物や電話の時間帯は、依頼時に相談して調整できます。返済中の業者への請求で任意整理に切り替わる場合は影響の範囲が変わるので、その可能性ごと最初に確認してください。
借りていた業者が倒産しています。もう無理ですか?
倒産した業者への請求は、配当の手続きが終わっていると回収がほぼできなくなります。一方、事業を引き継いだ会社に請求できる場合もあり、個別の判断になります。「もう無理だろう」と自分で結論を出す前に、業者名を伝えて確認だけしてください。
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