目次
任意整理のデメリットを先に全部言います。
信用情報に登録され、完済から5年以内は新しい借入れ・カード・分割払いが難しくなる。元本は原則減らない。保証人付きの借金を対象にすると保証人に請求が行く。
この記事では、それぞれの影響の範囲を正確に確認したうえで、それでも任意整理を選ぶ価値がある場合を整理します。デメリットを知らずに始めるのも、怖がりすぎて現状に留まるのも、どちらも損だからです。
任意整理とは何をする手続きか
30秒で確認します。任意整理は、司法書士・弁護士が業者と個別に交渉し、将来の利息をカットしたうえで、残りを3〜5年程度の分割で返す和解を目指す手続きです。
裁判所を使わないため、自己破産や個人再生より手続きが軽く、対象にする借金を選べるのが特徴です。
デメリット1|信用情報に登録される(完済後5年以内が目安)
最大のデメリットはこれです。期間は信用情報機関が公式に定めています。
つまり任意整理では、和解後の分割を払い終える(契約終了)まで+そこから5年以内が記録の残る期間の目安です。
その間にできなくなること・できることを分けておきます。
| 難しくなること | 影響しないこと |
|---|---|
| 新規のクレジットカード作成 | デビットカード・プリペイドカードの利用 |
| 各種ローン(住宅・自動車・カードローン) | 家族名義のカード・ローン(保証人の場合を除く) |
| スマホ端末の分割購入 | 現金・口座振替での支払い全般 |
| 誰かの保証人になること | 就職・転職(信用情報は企業に開示されない) |
なお、賃貸契約は大半に影響しませんが、信販系の保証会社を使う物件では審査に影響する場合があります。引っ越しの予定があるなら、相談時に伝えておいてください。
デメリット2|元本は原則減らない
任意整理で減るのは、これから払うはずだった利息が中心です。
「借金が大幅に減額」という広告の印象と、実際の減り方には差があります。元本100万円・年15%の借金なら、カットされるのは今後数年分の利息であって、100万円自体は分割で払い切ることになります。
例外は、過去に高い金利で長く取引していた場合です。利息制限法での引き直し計算により元本が減ったり、払いすぎ(過払い金)が見つかったりすることがあります。ここは取引履歴を見ないと分からないため、相談時の確認事項です。
デメリット3|保証人付きの借金は、保証人に請求が行く
任意整理の対象にした借金に保証人が付いていると、業者は保証人に残りを請求します。
対処はシンプルで、保証人付きの借金を対象から外して手続きするのが一般的な運用です。任意整理は対象を選べるので、これができます。
親や知人が保証人になっている借金があるなら、最初の相談で必ず申告してください。申告漏れがいちばんの事故です。
デメリット4|すべての業者が応じるわけではない
任意整理の和解は業者側の義務ではありません。
交渉に応じない方針の業者や、取引が短い・借りてすぐの整理には厳しい条件を出す業者もあります。この見極めは実務経験の領域なので、依頼前の相談で「この借入先は応じそうか」を聞いてみてください。
それでも任意整理を選ぶ価値がある場合
デメリットと引き換えに得られるものを、現状維持と比べます。
| 返済を続ける現状 | 任意整理後 | |
|---|---|---|
| 利息 | 払い続ける | 将来分は原則カット |
| 毎月の返済額 | 変わらない | 残元本÷36〜60回程度に組み直し |
| 督促 | 滞納すれば続く | 受任通知の後、業者からの督促は通常止まる |
| 信用情報 | 滞納すれば延滞情報が載る | 任意整理の記録が完済後5年以内残る |
見落とされがちですが、滞納を続ければどのみち延滞の記録が載ります。「信用情報が汚れるから任意整理しない」という判断は、滞納が始まっている時点で前提が崩れています。
利息だけ払って元本が減らない状態が続いているなら、比較する価値は十分あります。
費用と進め方
費用は1社あたり数万円が目安で、司法書士・弁護士の団体ルールで上限も定められています。詳しくは債務整理の費用相場にまとめました。
闇金や現金化業者からの借入れが混ざっている場合は、扱いがまったく別になります。闇金と多重債務は同時に解決できる?を先に読んでください。
まとめ|デメリットは「5年の不便」、比較対象は「終わらない利息」
任意整理のデメリットは、完済後5年以内の信用情報への登録、元本が原則減らないこと、保証人への影響の3つです。
一方で、滞納が始まっていれば信用情報への記録はどのみち避けられず、利息だけを払い続ける現状には終わりがありません。
自分の借入先と残高での試算を相談の場で聞いてから、現状維持と比べて決めてください。
よくある質問
5年経ったら、また自動的に借りられるようになりますか?
記録が消えても「自動的に信用が戻る」わけではなく、審査は各社の判断です。ただし判断材料から任意整理の記録が消えるのは事実で、自分の記録はCIC・JICCに開示請求して確認できます。5年経過後に開示して、記録が消えてから申し込むのが確実です。
家族名義のカードや、家族が組む住宅ローンに影響しますか?
影響しません。信用情報は個人単位で登録され、家族の審査で本人の記録が参照されることはありません。例外は、家族があなたの借金の保証人になっている場合と、あなた自身が家族のローンの保証人になろうとする場合です。
任意整理の手続き中に、新しく借りることはできますか?
受任通知の時点で信用情報に記録が載るため、審査は事実上通りません。また、和解交渉中の新規借入れは交渉自体を壊すおそれがあります。生活費が回らない場合は、借りて埋めるのではなく、その事情ごと依頼先に相談して返済計画を組み直してください。
スマートフォンの機種変更はできなくなりますか?
端末を分割払いで買う契約は信用情報を参照するため、登録期間中は審査に通りにくくなります。一括払いでの購入や、今の端末を使い続けることには影響ありません。通信料金そのものは、滞納しない限り契約を続けられます。
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