目次
法テラスの民事法律扶助が「使えない」場合として多いのは、次の3つです。
収入・資産が基準(資力基準)を超えている/審査や予約を待つ時間がない/そもそも対象外の問題である。
この記事では、制度の中身を先に確認してから、使えない・合わないときに何を選べばいいかを説明します。使える人が最大限使うための注意点も書いています。
法テラスでできることは?
法テラス(日本司法支援センター)は国が設立した法的トラブル解決の総合案内所で、柱は2つあります。
- 情報提供 — サポートダイヤル(0570-078374、平日9:00〜21:00/土曜9:00〜17:00)で、問題に応じた相談先や制度の案内を受けられる。ここは資力に関係なく誰でも使えます
- 民事法律扶助 — 経済的に余裕のない方向けに、弁護士・司法書士による無料法律相談と、依頼費用の立替を行う制度(民事法律扶助業務)
「法テラスが使えるか」で問題になるのは、もっぱら2つ目の民事法律扶助の方です。
法テラスが使えないのはどんな場合?
1. 収入・資産が資力基準を超えている
民事法律扶助は、収入と資産が基準以下であることが利用要件です。無料法律相談の収入基準は次のとおりです(2026年7月時点の公式サイト掲載額)。
| 世帯人数 | 手取月収の基準 | 東京都特別区・大阪市など |
|---|---|---|
| 1人 | 18万2,000円以下 | 20万200円以下 |
| 2人 | 25万1,000円以下 | 27万6,100円以下 |
| 3人 | 27万2,000円以下 | 29万9,200円以下 |
| 4人 | 29万9,000円以下 | 32万8,900円以下 |
このほかに資産の基準(単身180万円以下〜4人家族300万円以下)があり、家賃や住宅ローンを払っている場合は一定額まで収入基準に上乗せできます。
基準額は改定されることがあるため、ボーダーライン上の方は公式サイトかサポートダイヤルで最終確認してください。手取りが表をはっきり超えている方は、後述の「急いで取り立てを止めたい場合は?」に進んでください。
2. 審査・予約を待つ時間がない
無料相談は予約制で、費用の立替には審査があります。
制度として丁寧に運用されている分、申し込んだその日に専門家が業者へ動き出す、という速さは想定されていません。
取り立てや督促が毎日続いている状況では、この時間差が実害になります。急ぐ場合の選択肢は後述します。
3. 対象外の問題である
民事法律扶助の対象は、民事・家事・行政に関する法律問題です。刑事事件に関する相談は対象外とされています。
また、個人を対象とした制度なので、事業・法人のトラブルには使えません。
無料相談には回数と時間の枠がある
民事法律扶助の無料法律相談は、同一の問題につき3回までです。1回の相談時間にも30分程度という目安があります。
つまり「納得いくまで何度でも無料」ではなく、3回の枠で方針を決める制度と考えておくのが実態に合っています。
枠を有効に使うために、相談前に次を用意しておくと確実です。
- 時系列のメモ(いつ・誰と・何があったか)
- 金額の分かる資料(契約書・請求書・振込明細)
- 相手方の名前・連絡先
費用の立替は「無料」ではない
誤解が多いのがここです。立替(代理援助・書類作成援助)は、法テラスが費用を肩代わりして支払ってくれる制度ではなく、立て替えたお金を原則として返済していく制度です。
費用をすぐに工面できない時期でも依頼に進めるようにするための制度であって、「タダで弁護士に頼める」制度ではありません。
なお、生活保護を受給している方には特例があります(手続の流れ)。
- 事件が終わるまで返済(償還)の猶予を受けられる
- 事件終結後、申請により免除を受けられる場合がある(相手方から経済的利益を得た場合を除く)
該当しそうな方は、申込時に生活保護受給中であることを必ず伝えてください。
急いで取り立てを止めたい場合は?
闇金・違法業者からの取り立てのように今日も連絡が続いている問題では、法テラスの手続きの丁寧さが、そのまま待ち時間になります。
この場合の現実的な選択肢が、相談無料・後払いや分割に対応する事務所への直接相談です。
闇金・現金化対応を掲げる司法書士事務所には、公開料金で1社あたり2万7,500円〜5万5,000円(税込)を示し、着手前の持ち出しなしで介入に入れるところがあります(2026年7月時点の調査)。
資力基準を超えていて法テラスが使えない方も、この選択肢は使えます。窓口ごとの比較は闇金・違法業者トラブルの相談先比較にまとめています。
どこにも当てはまるか分からないときは
「自分が法テラスを使えるのか」「そもそもどこに相談する問題なのか」が分からない段階なら、判断を自分で抱える必要はありません。
- 法テラス サポートダイヤル(0570-078374) — 制度の利用可否も含めて、状況に応じた案内を受けられる
- 分野の見当がつかない法律トラブル全般 — 相談先の紹介サービスを使い、複数の選択肢から選ぶ方法もあります
まとめ|「使えるか」の確認は10分、諦めるのは確認のあとで
法テラスが使えないのは、資力基準の超過・時間が待てない・対象外の問題、の3つが主なケースです。
無料相談は3回まで・立替は原則返済という枠を知ったうえで使えば、費用を抑える手段として有力な制度です。
該当するか迷うならサポートダイヤルで確認し、急ぐ問題や基準超えの場合は、相談無料の事務所にも同時に声をかけておいてください。
よくある質問
法テラスの審査にはどのくらい時間がかかりますか?
公式サイトに一律の審査期間は示されておらず、事案や地域の状況で変わります。確実に言えるのは、申し込んだ当日に専門家が動き出す仕組みではない、ということです。急ぐ事情があるなら、申込時にその旨を伝えたうえで、他の相談先も同時に確保しておくと安全です。
一度「基準を超えている」と断られたら、もう使えませんか?
そのときの収入・資産で判断された結果なので、失業や収入減で状況が変われば、あらためて利用を相談できます。基準は世帯の人数や地域によっても変わるため、自己判断で諦める前にサポートダイヤルで確認してください。
依頼する弁護士・司法書士は自分で選べますか?
法テラス経由の紹介だけでなく、相談したい事務所が法テラスの制度利用に対応している場合もあります。依頼を検討している事務所があるなら、その事務所に「法テラスは使えますか」と直接確認する方法があります。
闇金やソフト闇金の問題も、法テラスで相談できますか?
民事の法律問題として相談できます。ただし、取り立てが毎日続いているような状況では、無料相談の予約や立替の審査を待つ間の時間が負担になります。急ぐ場合は、闇金対応を掲げる事務所にも同時に相談してください。
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