安全に関する注意
脅迫されている、自宅や職場に押しかけられているなど、いま身の危険を感じる状況にある場合は、この記事を読み進める前に110番へ通報してください。
目次
闇金の取り立てや請求に困ったときの相談先は、大きく分けて4つです。
身の危険があるなら警察(110/#9110)、業者が正規かどうかの確認は金融庁・日本貸金業協会、費用をかけられないなら法テラス、取り立てへの介入を依頼するなら司法書士・弁護士。どこが合うかは、いまの状況で決まります。
この記事では、それぞれの窓口の費用・受付時間・できることとできないことを比較し、状況別の選び方を解説します。
闇金の相談先はどこ?4つの窓口の比較表
先に全体を一覧で示します。
| 相談先 | 電話番号 | 費用 | 受付時間 | できること |
|---|---|---|---|---|
| 警察(緊急通報) | 110 | 無料 | 24時間 | 脅迫・押しかけなど犯罪行為への対処 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 通話料のみ | 平日8:30〜17:15が目安(地域で異なる) | 緊急でない相談・相談記録を残す |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 0570-016811 | 通話料のみ | 平日10:00〜17:00 | 無登録業者の情報提供・一般的な案内 |
| 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター | 0570-051-051 | 通話料のみ | 平日9:00〜17:00 | 貸金業に関する相談・苦情 |
| 法テラス サポートダイヤル | 0570-078374 | 通話料のみ(法律相談は要件を満たせば無料) | 平日9:00〜21:00/土曜9:00〜17:00 | 制度案内・無料法律相談・専門家費用の立替 |
| 司法書士・弁護士 | 事務所ごと | 1社あたり2万7,500円〜5万5,000円が目安(後述) | 事務所ごと(夜間・土日対応もある) | 業者への介入・取り立て中止の要求と交渉 |
覚えておいてほしいことは1つだけ。業者に「取り立てをやめるよう」求めて交渉できるのは、司法書士・弁護士だけです。
公的窓口の役割は、犯罪への対処(警察)、違法業者の情報収集と注意喚起(金融庁・協会)、そして相談先の案内と費用面の支援(法テラス)にあります。
命や身の危険があるときは、どこに電話すべき?
110番です。相談窓口ではなく、緊急通報を使ってください。
次のような状況は、取り立てではなく犯罪として扱われる可能性のある行為です。
- 「殺す」「家に行く」など危害をほのめかす脅迫
- 自宅や職場への押しかけ・居座り
- 家族や勤務先への危害の予告
緊急ではないものの警察に相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」にかけると、その地域を管轄する警察本部の相談窓口につながります。
受付は平日8:30〜17:15が目安で、時間外は当直や音声案内での対応になる地域もあります(詳細は政府広報オンラインで確認できます)。
警察は闇金にどこまで動いてくれる?
脅迫・恐喝・押しかけなど犯罪性がはっきりしている行為には動きますが、「お金の貸し借りのもめごと」の形をとっている段階では動きにくい、というのが実情です。
警察は民事上のトラブルには原則として介入しないため、「借りたものを返せと言われている」という枠に収まっているうちは、対応が相談・警告どまりになることがあります。
それでも、#9110へ相談しておく意味は2つあります。
1つは、相談記録が残ること。後で被害が大きくなったとき、以前から相談していた事実が対応を早める材料になります。
もう1つは、脅迫や押しかけに発展したとき、110番からの対応がつながりやすくなることです。
「警察に相談したが動いてもらえなかった」という場合の選択肢は、この後の「司法書士・弁護士に頼むと何をしてくれる?」の項で説明します。
金融庁・日本貸金業協会には何を相談できる?
相手の業者が正規の登録業者かどうかの確認と、違法業者に関する情報提供・相談です。取り立てを直接止める権限はありません。
貸金業を営むには、財務局または都道府県への登録が必要です。金融庁の注意喚起ページは、無登録営業と、出資法の上限(年20%)を超える金利での貸付けが罰則の対象であることを明示しています。
相手が登録業者かどうかは、登録貸金業者情報検索サービスで自分で確認できます。
- 業者名・電話番号・登録番号のいずれかを入力して検索する
- 出てこなければ、無登録の違法業者の可能性が高い
- 「登録番号を名乗っているのに検索結果と食い違う」場合は、正規業者をかたる偽装の可能性がある
確認して判断に迷う場合は、金融サービス利用者相談室(0570-016811、平日10:00〜17:00)、または日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051、平日9:00〜17:00)に相談できます。
どちらも無料(通話料のみ)で、違法業者の情報は行政の警告・公表の材料にもなります。
法テラスは闇金トラブルに使える?
使えます。ただし、無料になる範囲には要件があり、時間もかかります。
法テラス(日本司法支援センター)は国が設立した法的トラブルの総合案内所で、闇金トラブルもサポートダイヤル(0570-078374、平日9:00〜21:00/土曜9:00〜17:00)で相談先の案内を受けられます。
費用面の中心になるのは「民事法律扶助」という制度です。
- 無料法律相談: 弁護士・司法書士による法律相談を無料で受けられる
- 費用の立替: 依頼する場合の着手金などを法テラスが立て替える
ただし、次の2点は理解しておく必要があります。
1つ目は、収入・資産が一定基準以下であることが要件になっていること。誰でも使える制度ではありません。
2つ目は、立て替えてもらった費用は原則として分割で返済していくこと。無料になるのは相談であって、依頼費用そのものではありません。
また、利用には審査があるため、申し込んだその日に専門家が動き出す、という速さは期待しにくい制度です。取り立てが今日も続いている状況では、この時間差が問題になることがあります。
基準額や手続きの詳細は変わることがあるため、最新の要件は法テラスの公式サイトかサポートダイヤルで確認してください。
要件を超えていた場合や審査を待てない場合の選択肢は、法テラスが使えない場合の選択肢で詳しく解説しています。
司法書士・弁護士に頼むと何をしてくれる?費用はいくら?
業者への介入です。依頼を受けた専門家が業者に通知を送り、本人・家族・職場への連絡や取り立てをやめるよう求め、以後の窓口を専門家に一本化します。
違法業者との「交渉」は、貸金業法・出資法違反や後述の最高裁判例を前提に進められるため、個人で対応するのとは持っている材料が違います。
自分で業者と話し続けるより先に、介入を依頼できるかを確認する価値があります。
介入までの間に自分でやるべきこと・やってはいけないことは、闇金の取り立ての止め方で詳しく解説しています。司法書士と弁護士のどちらに頼むか迷う場合は、両者の違いの解説が判断材料になります。
費用の目安は次のとおりです。
| 項目 | 公開料金で確認できた水準(2026年7月時点) |
|---|---|
| 相談料 | 無料とする事務所が多い |
| 対応費用 | 1社(1業者)あたり2万7,500円〜5万5,000円(税込)。5万5,000円の設定が目立つ |
| 支払い方法 | 後払い・分割払いに対応する事務所がある |
これは闇金対応を公表している複数の司法書士事務所の公開料金をまとめた目安で、件数が多い場合の割引や、回収に成功した場合の成功報酬(回収額の一定割合)を設ける事務所もあります。
正確な金額は、依頼前に必ず見積もりで確認してください。なお、専門家への依頼は解決を保証するものではありません。
結局どこに相談すべき?状況別の選び方
状況ごとの最初の窓口をまとめます。
| いまの状況 | 最初の窓口 |
|---|---|
| 脅迫・押しかけなど身の危険がある | 110番(あわせて専門家にも相談を) |
| 取り立て・嫌がらせを早く止めたい | 闇金対応を扱う司法書士・弁護士 |
| 相手が正規の業者か分からない | 登録貸金業者情報検索サービス → 金融庁 0570-016811 |
| 収入が少なく、費用がまず心配 | 法テラス 0570-078374(要件を確認する) |
| 緊急ではないが警察に知っておいてほしい | #9110 |
| どこに相談すべきかまだ整理できない | 法テラスまたは#9110で状況を話し、案内を受ける |
無料の公的窓口で解決の道筋がつく人は、そちらで進めるのが最短です。
一方で、法テラスの要件に該当しない人、審査を待つ間も取り立てが続いて急ぐ人は、最初から司法書士・弁護士に相談する方が早い場合があります。
どちらか一方が正解というものではないので、上の表を判断材料にしてください。
相談前に準備しておくとスムーズなもの
そろっていなくても相談はできますが、次があると話が早く進みます。
- 業者の名前・電話番号・サイトのURL(分かる範囲で)
- 指定された振込先の口座情報
- やり取りの記録(LINE・SMSのスクリーンショット、着信履歴)
- 借りた金額と、これまでに支払った金額のメモ
とくに振込先口座とやり取りの記録は、業者の特定と、口座凍結などの手続きの手がかりになります。
消してしまう前に、残っているものを保存しておいてください。
闇金に返済義務はない|相談をためらわなくていい理由
「借りた自分が悪い」「返せないのに相談していいのか」と抱え込む必要はありません。法律は一貫して、闇金の貸し手側を違法としています。
- 無登録での貸金業の営業は、貸金業法違反
- 年20%を超える金利での貸付けは、出資法違反で罰則の対象
- 最高裁は平成20年6月10日の判決で、業者側の返還請求を否定。金融庁による判決概要には「貸付けとして借主(被害者)に交付した金銭は、不法原因給付に該当するため、本件ヤミ金融業者から借主に対して返還請求することはできない」とあります
つまり、法律の建前として「闇金に返す義務」は認められていません。借りた人を処罰する規定もありません。
ただし、この判例を自分で業者に主張して交渉することは勧められません。嫌がらせの矛先が変わるだけに終わることがあり、あなたのケースで具体的にどう扱えるかの判断は、専門家に委ねるべき部分だからです。
判決の根拠と、返さないための安全な手順は闇金に返済義務はない?で詳しく解説しています。
まとめ|危険なら110番、それ以外は無料の窓口から始められる
闇金の相談先は、警察(110/#9110)・金融庁と日本貸金業協会・法テラス・司法書士や弁護士の4つで、身の危険の有無と急ぎ具合で最初の窓口が決まります。
公的窓口はすべて無料で、専門家も相談料無料・後払い対応の事務所が複数あるため、手元にお金がないことは相談しない理由になりません。
一人で業者とやり取りを続けるほど消耗します。今日の相談は、上の表のどれか1本の電話から始められます。
よくある質問
闇金からの借金を、家族に知られずに相談できますか?
できます。公的窓口も司法書士・弁護士も、相談内容を本人の同意なく家族へ伝えることはありません。ただし業者がすでに家族へ連絡している場合は、家族への説明も含めた対応を相談時に検討することになります。
闇金と知らずに借りてしまった場合、自分も罪に問われますか?
出資法や貸金業法の罰則は貸した業者側に向けられたもので、借りた人を処罰する規定はありません。「自分も違法なことをした」と考えて相談をためらう必要はありません。
相談したことが業者に知られて、報復されませんか?
公的窓口や専門家に相談した事実が、そこから業者へ伝わることはありません。専門家が介入する際は業者への通知が行われますが、報復が不安な場合はその不安ごと相談時に伝えてください。警察への相談記録(#9110)は、万一の際の抑止や立件の材料になります。
お金がまったくない状態でも相談できますか?
警察・金融庁・日本貸金業協会・法テラスへの相談は無料です(通話料を除く)。司法書士・弁護士も、闇金対応では相談料無料・後払い・分割払いに対応する事務所が複数あります。法テラスの費用立替制度(要件あり)も選択肢になります。
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